田川市に進出した企業事例
株式会社HOWA九州
「株式会社 HOWA九州」
企業概要・事業内容
株式会社HOWAグループは、自動車用内装部品及び防音部材の企画・開発・製造・販売を一貫して行う企業グループです。成形天井、ダッシュインシュレーター(ダッシュサイレンサー)、サンシェード、ドアトリム、トランク・ラゲッジトリム、エンジンアンダーカバー、フェンダーライナー、EVバッテリーカバーなど多岐にわたる製品を取り扱い、設計段階から量産立ち上げまで自動車メーカーと連携した開発力を有しています。主要取引先には日産自動車株式会社、トヨタ自動車株式会社、本田技研工業株式会社、三菱自動車工業株式会社、スズキ株式会社、ダイハツ工業株式会社など国内外の大手自動車メーカーが含まれ、Tier1サプライヤーとして新車種の開発初期段階から参画することもあります。
HOWAグループは単なる部品供給に留まらず、材料開発や環境配慮設計にも注力しています。EV時代を見据えた軽量化、耐熱性、リサイクル性の高い素材開発を進めることで、製品の性能向上と環境負荷低減を両立させることを目指しています。品質保証はISO規格に準拠した管理体制で運用され、試作から量産までの短納期対応力とグローバルな調達網を活かした安定供給体制を整えています。これらの強みを基盤に、当社は素材選定、成形技術、表面仕上げ、騒音低減設計などのノウハウを結集し、車両全体の価値向上に貢献する製品を提供しています。
田川市との関わりや進出のきっかけ
株式会社HOWA九州(株式会社HOWAの100%子会社)は、嘉麻工場での受注拡大に伴い生産スペースが逼迫したことを背景に、新たな生産拠点を検討しておりました。特に日産自動車九州向け、トヨタ自動車九州向けのNV部品の増産が見込まれる中で、安定的な生産体制の確保が急務となりました。検討の過程で田川市の白鳥工業団地に空き区画があることを知り、田川市産業振興課へ問い合わせたことが最初の接点となりました。
用地選定段階から田川市とは綿密な協議を重ね、インフラ整備や許認可手続きに関する行政支援を受けながら進めてきました。また、交通アクセスや上下水道、電力供給など基盤整備の状況を確認したうえで最終判断に至りました。田川市側の迅速かつ丁寧な対応は、進出検討を後押しする重要な要素となりました。
また、立地面では株式会社HOWA九州の既存拠点である嘉麻市及び京都郡苅田町に近接している点が大きな魅力でした。拠点間の近接性は物流効率の向上や人材交流の促進につながり、グループ全体の生産最適化に寄与します。こうした背景から、田川市は新工場の候補地として最適であると判断しました。
進出に当たっての決め手について
田川市進出の決定には複数の要因が総合的に勘案されました。まず、用地の確保と拡張性です。白鳥工業団地は必要な事業用面積を確保でき、将来的な増設にも対応可能であったため、長期的な事業展開を見据えた拠点として適しています。次に、物流と拠点間連携の優位性です。嘉麻市及び京都郡苅田町との距離短縮により輸送コストとリードタイムの削減が見込め、サプライチェーン全体の効率化が期待できます。
さらに、地域支援制度や税制優遇、補助金の活用可能性が経済面での後押しとなりました。田川市及び関係機関からの支援や情報提供は、進出判断を迅速に進めるうえで重要な役割を果たしました。加えて、安定した労働力の確保見通しや地域コミュニティの受け入れ姿勢、自然災害リスクの評価などを総合的に評価し、長期的な事業継続性を担保できる点が決め手となりました。
これらの要素が揃ったことで、田川市の白鳥工業団地はHOWAグループにとって最適な新拠点として選定し、進出の意思決定を行いました。
新工場での事業展開・今後の計画について
田川事業所(新工場)は、HOWAグループにおける西日本エリア、特に九州地区をカバーする重要拠点として位置づけられます。新工場はダッシュサイレンサー(消音部材)に特化した生産ラインを中核に据え、天井部材に次ぐ事業の柱として育成していきます。ダッシュサイレンサーはリサイクル素材を多く使用する環境配慮型製品であり、資源循環やCO₂削減の観点からも重要性が高まっています。
具体的には日産自動車九州向け、トヨタ自動車九州向けのダッシュインシュレーターの生産を田川事業所に集約し、生産効率と品質の安定化を図ります。設備面では生産ラインの標準化と自動化を段階的に導入し、試作・評価設備を併設して新車種対応の短期立ち上げを可能にします。リサイクル素材の加工技術や成形技術の高度化を進め、将来的にはEV向け内装やバッテリー関連部材の生産拡充も視野に入れ、サプライチェーン全体の最適化を図ります。
また、地元サプライヤーとの連携強化や共同改善プロジェクトを推進し、部材調達の安定化、コスト競争力の向上、納期短縮を実現することで、お客様に対してより高付加価値なサービスを提供してまいります。
採用・人材育成について
田川事業所では地元人材の積極採用を基本方針とし、製造スタッフ、品質管理、設備保全、工程管理など多様な職種での募集を行います。求める人物像は協調性があり改善意欲を持つ人、品質意識が高く安全を最優先できる人、学習意欲があり新技術を習得する意欲のある人です。未経験者向けの基礎研修、工程別専門研修、品質管理や安全衛生に関する定期教育を体系化し、現場OJTと組み合わせて技能伝承を図ります。
多能工化の推進とキャリアパスの明確化を重視し、資格取得支援やリーダー候補向けの管理職研修を実施します。女性やシニアの活躍推進、障がい者雇用の拡大、時短勤務やフレックス制度の導入など多様な働き方を支援し、健康経営プログラムによる職場環境改善で従業員の定着率向上を目指します。地元高等学校や専門学校との連携によるインターンシップや職業体験も積極的に受け入れ、若年層の技術者育成に貢献します。
人材育成は単なる技能伝承にとどまらず、改善活動や品質向上の文化を根付かせることを重視します。現場からの改善提案を評価する仕組みを整え、従業員一人ひとりが成長できる職場づくりを推進します。
地域社会への貢献・展望について
HOWAグループは経営理念に基づく5つのCSR方針(お客様・お取引先・従業員・環境・社会)を掲げ、田川事業所ではこれを具体化します。環境面ではリサイクル素材の採用比率向上、省エネ設備導入、廃棄物の分別・再資源化、太陽光パネル設置検討などを通じてCO₂排出量削減と資源循環に取り組みます。これらの取り組みは製品ライフサイクル全体を見据えた設計思想と連動し、持続可能なものづくりを実現します。
地域経済面では地元サプライヤーとの取引拡大や共同改善プロジェクトを通じて産業連携を強化し、雇用創出により地域の活性化に寄与します。社会貢献活動としては学校への教材提供、工場見学や職業講座の実施、地域イベントへの協賛、環境美化活動やボランティア参加を予定しています。災害時には拠点を活かした支援協力や地域防災訓練への参加を通じて、安全・安心な地域づくりにも貢献します。
CSR報告等により透明性を確保し、地域との信頼関係を築いていきます。地域の声を事業運営に反映させることで、共に成長するパートナーとしての役割を果たしてまいります。
最後に読者・地域の方へのメッセージ
株式会社HOWA九州は、嘉麻市及び京都郡苅田町の既存拠点に加え、田川事業所(新工場)を稼働させることで更なる安定的かつ効率的な生産体制を構築します。令和7年12月9日の開所式を経て、本工場は受注拡大に対応するための中核拠点として令和8年度稼働を開始します。今後は地域の皆様と対話を重ね、採用説明会や見学会を通じて地元雇用の拡大と技術者育成に努めるとともに、環境配慮型製品の供給を通じて持続可能な地域社会の発展に貢献してまいります。
地域の皆様のご理解とご協力を賜りますよう、どうぞよろしくお願い申し上げます。株式会社HOWAグループは、地域とともに歩み、信頼される企業として責任を持って事業を推進してまいります。








