田川市に進出した企業事例
ケアサロンMorly

田川市空き店舗活用補助金を活用した事例
ケアサロンMorly

「ケアサロンMorly」は、田川市内で、田川市空き店舗活用補助金を活用して開業した福祉美容室です。一般のお客様のほか、介護が必要なお客様、ご高齢のお客様に対し、訪問美容(※)や通所美容のサービスを提供しています。

今回、開業に至るまでの経緯や補助金の活用に至った経緯、将来のビジョンなどについて、経営者の池口恵代表にお話をお伺いしました。

 

代表の池口様について教えてください。

私はこの美容室がある校区の出身です。地元の小・中学校を卒業し、17歳のときから市内の美容室で働いていましたが、6年前に独立し、訪問美容(※)を行っていました。

4年前に新型コロナウイルス感染症が流行したときには、福祉施設への出入りが制限され、訪問美容の対象であるご高齢の方や基礎疾患を持った方が、人との接触を避けるようになったため、訪問美容を専門としている当社は大きな影響を受けました。

高齢化が進む現代、施設に入居できず、ご自宅で生活をされるご高齢の方は増える一方です。ご高齢の方であろうと、「いつまでもきれいでいたい」と思っていらっしゃる方はたくさんいらっしゃいます。QOL(Quality of Life:生活・生命の質)が低下したご高齢の方は、外出が困難となって人との関わりが減り、認知症を発症したり、身体機能が低下したりしてしまいます。そこで当社も運営方針を見つめなおし、現代社会にあった業態転換を模索し始めました。これまでの訪問美容に加えて、介助する「ケア」、容貌をきれいにする「ケア」、あらゆる「ケア」ができる実店舗サロンの出店が必要であると判断し、開業を決断しました。

※ 訪問美容は、福祉施設を訪問し、施設側から場所を借りる形で、施設の入居者又はデイサービスの利用者などにヘアカットなどの施術を行うものです。

田川市内で開業された「ケアサロンMorly」について教えてください。

ケアサロンMorlyは訪問美容と通所美容を行う福祉美容室です。一般のお客様はもちろん、介助が必要なお客様、ご高齢のお客様、障害をお持ちのお客様などが、安心してお越しいただけるような美容室というコンセプトで営業しています。お店の名称は、「守り」(もり)から名付けました。

元々訪問美容を利用してくださっていたお客様も、施設での施術には時間制限があるため、カットのみという方が多数でした。ですが、福祉施設からの要望に応じて店舗への送迎を行うことで、そのお客様が店舗にご来店し、パーマやカラーをするニーズがあると考え、サロンを開設しました。

開業にあたり、田川市を選んだ理由について教えてください。

私には小学生の子どもがいるので、サロンを開設する場所は田川市内と決めていました。開業場所を市内のどこにするかでいろいろと悩みましたが、子どもが私に何か用事があったりするときや、不安にならないかなどを考えて、小学校から自宅に帰るまでの途中にあるこの場所に、最終的に決めました。

 

開業にあたり、不安や悩みなどについて教えてください。

6年前に独立して訪問美容を始め、当初は福祉施設を3か所訪問していました。仕事が軌道に乗り始めたときにコロナ禍となり、福祉施設への出入りが制限されました。このためケアマネジャーなどから紹介を受けて、個人宅へ訪問するサービスを始めました。

開業するとき、「以前からの訪問美容の仕事も続けるし、コロナ禍もいずれは収まってくる。」と思っていたので、新たにサロンを構えることに関しての不安はあまりありませんでした。

お客様の声を教えてください。

当店は、介助を必要とする方やご高齢の方が利用しやすい、店舗デザインやサービス、価格設定を行っています。

店舗内は、広い室内空間に、車椅子でも楽に入れるエントランス、手すり付きの施術スペースやトイレの設置など、バリアフリー構造となっています。サービス面では、サロンへの送迎を筑豊地域内としており、幅広いエリアの方にご利用いただいています。さらに料金面では、カット・シャンプー・ブロウをセット価格としておらず、シャンプー・ブロウに関してはお客様に選択いただくようにしています。訪問美容に関しても、軽度認知症の方に「髪型がきれいになった。」と喜んでいただいています。

このように当社ではお客様に対してきめ細かいサービスを行っており、高い評価をいただいています。

 

どのように空き店舗活用補助金を知ったのかと補助金があってよかった点について教えてください。

独立して訪問美容の事業を始めた当初は、スタートアップやコロナ関連の補助金のことを詳しく知りませんでした。また、若いころに金銭面で苦労した経験があったことから、ファイナンシャルプランナーの資格を取ったり、ネットで補助金のことを調べたりして、税金や不動産、補助金のことについて詳しくなりました。

田川市空き店舗活用補助金のことはその際に知りました。市役所に申請相談に行ったところ、職員のスタッフの方が親身になって相談に乗ってくださったので、ほかの補助制度の活用も考えていましたが、田川市の補助金に応募させていただきました。

開業には、店舗改修費用だけではなく運転資金も必要になりますが、田川市の補助金があったことで、手元資金を十分に確保することができました。お客様に新たなサービスを提供したいと思ったときに、資金が手元にあることで、余裕を持った経営ができるので、大変助かっています。

 

今抱えている課題は何かありますか。

福祉美容室として開業しましたが、福祉美容室というものが世間ではまだ幅広く認知されておらず、このサロンも最近まで福祉美容室として認識されていませんでした。

最近やっと、このサロンが福祉美容室だということが認識されてきて、利用者の方が徐々に増え始めてきました。しかしまだ福祉美容を本当に必要としている方に情報が届いていないので、そこが課題だと思っています。

今はGoogleマップやホットペッパービューティー(美容室の検索・予約サイト)にこのサロンの情報を掲載するなど、幅広い情報発信を行っています。その効果もあって、北九州市や飯塚市、福智町など、少し遠いところからご来店いただいています。ただ、新聞折込やチラシのポスティングを行っていないため、ご近所の方のご利用は少ない状況です。このため今後は、これらの情報媒体に加え、地域や行政が開催する福祉関係のイベントなどを活用し、情報発信を行っていきたいと思っています。

今後の展望について教えてください。

サロンと訪問美容の両方について、事業を拡大していく予定にしています。直近では、今年の春ごろから脱毛の施術を始める予定にしているので、脱毛を施術できるスタッフを1名雇用する予定にしています。美容師は今のところ私1人なので、近いうちに美容師も雇用することになりそうです。雇用される方は、市内在住の方を中心に考えています。

今後、さまざまなサービスを展開する予定で、事業が軌道に乗れば、このサロンのほかに市内の別の場所にも店舗を構えたいなと考えています。そうなれば新たに働いてくれる仲間が必要になるので、さらなる美容師や訪問美容のスタッフの雇用も進めていきたいと考えています。

私が生まれ育った田川市で、みなさまのサポートをいただきながら、福祉美容という事業を通じて地域に貢献できるように、頑張っていきたいと思っています。

 

Contact Usお問い合わせ

個人情報の取り扱いについて
お問い合わせの際にお預かりした個人情報は、田川市と当該ホームページ運営会社が共有し、
お問い合わせに関するご連絡やご質問の回答にのみ使用いたします。
なお、お問い合わせの内容に応じて、田川市の担当部署から回答させていただきます。
その旨を同意いただいた上で、下記お問い合わせフォームにご入力お願いいたします。

    お問い合わせ項目
    貴社名
    ご所属
    ご担当者名
    Eメール
    電話番号
    所在地
    田川市への訪問経験
    進出検討時期
    お問い合わせ内容

    トップページへ