田川市に進出した企業事例
UNE hair
「UNE hair」
今回、開業に至るまでの経緯や補助金の活用に至った経緯、将来のビジョンなどについて、経営者の松尾沙織さんにお話をお伺いしました。
UNE hairの事業内容について教えてください。
店名の「UNE(ユヌ)」は私が好きな韓国のブランド名に使われている単語です。言葉の響きが好きで、そこから取りました。よくよく調べたら、フランス語で「一つの」という意味がありました。
施術メニューは、カット、カラー、パーマ、ヘッドスパなどです。
お客様は、当店のSNSや美容情報誌を見て初めてお越しになる方や、以前働いていた店の時からの方など、幅広い方に来ていただいています。30代から50代くらいの方は、仕事や家事、育児などでちょっと疲れ気味の方も多いと感じているので、シャンプーなどで癒されてほしいと思っています。
美容師一人にお客様一人のマンツーマンで施術を行うので、他のお客様を気にすることなく自由に話ができる点は、お客様から特に喜んでもらえます。
松尾さんについて教えてください。
田川郡川崎町で生まれ育ちました。高校卒業後、福岡の美容専門学校に進み、卒業後、飯塚市の美容室に勤めました。働き始めてから3年経つころに地元の田川に帰ろうと思い、田川の美容室で15年ほど勤めました。
シャンプーからカット、カラーまで、全ての施術を私が担当するマンツーマンの接客がしたいと思っていたこと、ちょうど40歳になることもあり、いろいろと考えた結果、独立を決意しました。
田川市内で事業をしようとしたきっかけを教えてください。
自分が担当しているお客様は田川市の方が多かったので、この場所なら通いやすいかなと思いました。
後藤寺(田川市の中心部の一つ)や地元の川崎町で検討していた物件もありましたが、他の方に借りられてしまったり、家賃が思ったより高かったりしたので、断念しました。
今の店舗は以前から目を付けていて、タイミング良く空いていたのですぐに決めました。
事業計画を立てる上で、重視した点を教えてください。
私はシャンプーが得意なので、お客様にシャンプーで癒されてほしいと思っています。シャンプー台にはお客様の首が疲れないものを選ぶなど、設備面にこだわっています。
また、お客様にゆっくりくつろいでいただけるよう、施術時間を多くとっており、またお客様同士のご予約が重ならないように配慮しています。
補助金はどのようにして知りましたか。また、あったことで良かった点を教えてください。
銀行に融資の相談に行った際に、空き店舗活用補助金とたがわ創業セミナーを教えてもらいました。両方とも知らないことだったので、ありがたかったです。
創業セミナーを受講後、改修工事に着工する前に、改修費補助金の申請をしました。
事業を始める際は何かとお金がかかるので、補助金があって本当に助かりました。
店内を自分の思い通りの形にしようとするにはそれなりの費用がかかりますが、この補助金があったおかげで、ほぼ思い通りの仕上がりにすることができました。
現在抱えている課題について教えてください。
まだ予約が埋まらない日もあるので、新規のお客様の集客にもう少し力を入れていかなければと感じています。
今はインスタグラムとスレッズで宣伝しています。もっとお店のことを知ってもらいたいので、掲載料や掲載範囲など条件にあう広告媒体があれば積極的に活用したいと考えています。
今担当している既存のお客様には長い付き合いの方が多く、私が20代の頃からのお客様もいます。ずっと通ってくださっているお客様をこれからも大切にしながら、新規顧客の獲得も頑張っていきたいです。
開業後のお客様の声を教えてください。
前に働いていたお店は、スタイリストが3人いて、それぞれのお客様もいたので、必然的に周りを気にしながら話していました。このお店はマンツーマンの営業なので、プライベートな話ができるようになり、お客様にも「誰もいないから松尾さんと今まで話せなかったことも気軽に話せる」と喜んでいただけています。また、子ども連れのお客様からも「周りを気にせず安心して過ごせる」との声をいただいています。
ゆくゆくは待合スペースに本を置くなど、店内を充実させていきたいです。
UNE hairを今後どのようにしていきたいですか。
担当させていただいているお客様と、元気に歳を重ねていきたいです。
今は施術のみで商品の販売はしていませんが、今後は、肌の弱い方やアレルギー持ちの方にも安心して使っていただける肌に優しいシャンプーなどの導入も検討中です。
最後に創業を考えている方に一言お願いします。
私は今までずっと雇われる側だったので、売上や利益について全く勉強したことがなく、いざ独立するとなると経営や財務のことは必ず勉強しないといけないと思っていました。
創業セミナーでは、経営や財務マーケティングなどを基礎から学び、セミナー以外では、個人事業主の創業者向けの本を読んでじっくりと勉強しました。
実際に創業してから感じたことですが、開業前や開業直後には本当にいろいろとお金がかかります。私は銀行から融資を受けましたが、事業計画書を作成する中で、今後の事業運営などのことも考えて、改修工事は500万円以内で収めようと決めていました。銀行や創業セミナーで知った空き店舗活用補助金も活用させていただいたことで、初期費用を抑えることができ、その分を運転費用に回すことができました。
創業には、事前にある程度の自己資金を確保したうえで、事業の計画、目標を立てることが大事だと思います。また知識も必要になります。金融機関や自治体への相談、創業セミナーの受講はさまざまな情報やメリットを受けることができるので、ぜひ活用していただきたいと思っています。